子どもが罹患しやすい感染症について
子どもが感染症にかかった場合、症状が落ち着くまで登園を控えなくてはいけない期間があります。
その期間のことを『登園停止期間』と呼ぶのですが、
この『登園停止期間』というのは感染症によって本当に様々なのです。
例えば、
解熱後〇日経過するまで、とか、医師により感染の恐れがないと認められるまで、など・・・。
色々なパターンがあるので、丁寧に一つ一つ覚えていくというのはとても大変です。
そこで、子どもがかかりやすい感染症と、その登園停止期間がすぐに分かるようにまとめてみました。
※本記事は、保育士さん向けて執筆していますが、
保育園に通うお子さんをお持ちの保護者の方々にとっても分かりやすいようにまとめています。
いつから保育園に登園して良いのか、その目安に困った時には、是非参考にして下さいね。
出席許可書が必要な感染症
感染症には二種類あって、登園するために許可書が必要なものと、不要なものがあります。
まずは、登園許可書が必要な感染症から紹介していきます。
これらの感染症は、例え登園停止期間を終えていたとしても、登園許可書がなくては園児をお預かりすることが出来ませんので、注意しましょう。
保護者の方へは、『登園の際には登園許可書が必要になります』という旨をお伝えしておくと親切です。
①麻疹(はしか)
登園目安:解熱後3日を経過している
②水疱瘡(みずぼうそう)
登園目安:全ての発疹がかさぶたになっている
③流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
登園目安:耳下腺・顎下腺・舌下腺の膨張が出た後、5日を経過している + 全身状態が良好
④風疹(3日ばしか)
登園目安:発疹が消失している
⑤百日咳
登園目安:特有の咳が消失する or 5日間の抗菌性物質製剤による治療が終わる
⑥インフルエンザ
登園目安:発症した後5日を経過 + 解熱した後3日を経過する
⑦結核
登園目安:医師により「感染の恐れがない」と認められるまで
⑧咽頭結膜熱(プール熱)
登園目安:主な症状が消退してから、2日を経過する
⑨流行性結膜炎
登園目安:症状が消失するまで
⑩腸管出血性大腸菌感染症(O157,O26,O111など)
登園目安:症状が治まる + 抗菌剤による治療が終了している + 48時間をあけて連続2回の検便で陰性
⑪急性出血性結膜炎
登園目安:伝染の恐れがなくなるまで
正直、「登園停止期間」については、
専門用語や、難しい言い回しが多くて分かりにくいですよね・・・。
保護者から登園日についての相談を受けた際、
判断に悩んだ場合は必ず看護師と相談してから受け答えをしましょう。
出席許可証明書は不要だが、登園する際に配慮が必要な感染症
以下で紹介するのは、出席許可証明書の不要な感染症です。
許可書が必要ない分、登園の目安には悩んでしまうことも多いかと思います。
子どもが安心して園生活を過ごせるように、どの程度の目安で子どもの感染症が完治出来るのかを、しっかりとお伝えしていきましょう。
体調が本調子でないままで登園してしまうと、辛いのは子ども自身です・・・。
①溶連菌
登園目安:抗菌薬を服用してから、24~48時間が経過している
②マイコプラズマ肺炎
登園目安:発熱や激しい咳が治まっている
③手足口病
登園目安:発熱・口の中の水疱等の影響がなく普段の食事がとれる
④伝染性紅斑(リンゴ病)
登園目安:全身状態が良いこと
⑤ウイルス性胃腸炎 ※ノロ、ロタ、アデノ等
登園目安:嘔吐・下痢の症状が治まっている + 普段の食事がとれる
⑥ヘルパンギーナ
登園目安:発熱・口の中の水疱等の影響がなく普段の食事がとれる
⑦RSウイルス感染症
登園目安:呼吸器症状が消失する + 全身状態が良い
子どもが感染症にかかった場合の保護者との関わり方
子ども一人一人の健康を守り、休息を確保すること、これは保育士にとってとても大切な使命です。
ですが、保育園の利用するお母さん・お父さんは仕事もあり、とても忙しい身です。
子どもの為を思って休みたい、でも仕事もある・・・。
休みたいのに、なかなか難しい・・・。
そんな葛藤を抱えているということを、常に頭に置いておきましょう。
保護者の方は皆さん、
「子どもの為に休みたい」ですし、また、それと同時に「子どもの為に働きたい」のです。
子どもの健康を守るために、保護者の方にお知らせしておいたほうが良いことは以下の2点です。
〇完全に回復してから登園をして下さい。
〇まとまった時間しっかりと療養することで、お休みする期間が結果的に短くなります。
子どもがより園で過ごしやすくするためには、なによりも完全に回復した状態で、登園することを優先して頂かなくてはなりません。
仕事を抱えている忙しい保護者の方々は、「子どもとの生活のために、そう何日も仕事を休んでいられない」という焦りがあります。
その結果、完全に治りきる前に、子どもを保育園へ連れてきてしまうのです・・・。
しかしこの行為が、本末転倒であるということを、意外にも保護者の方々はあまり知りません。
完全に治る前に登園する、という行為がもたらす悪いループ
完全に治りきるまえに登園してしまうと、このような流れに陥りがちです。
1.完全に治りきる前に登園する
⇩
2.不調のまま集団生活
⇩
3.いつまでも治らない
⇩
4.悪化する
⇩
5.保育園をお休みする(1へ戻る)
これはとても悪いループとなり、子ども自身の楽しい園生活を妨げる結果となってしまいます。
そしてこの悪いループのことを、先ほども少しお伝えしましたが
保護者の方々は把握していないことも多いです。
保育園に身をおいていて働く、私たち保育士からしたら極当たり前のことでも、
保護者の方からしたら、そうではないことも沢山ある、ということです。
仕事が忙しい上に、この悪いループのことも把握していない、ともなれば、
少しでも体調が治りかけてきたら、すぐに子どもを保育園に預けたいと思ってしまいがちです。
もしかしたら、まだ完全に治っていないのに保育園に子どもを預ける保護者を見て、
こんな風に思ったことがあるかもしれません。
- なぜ子どもが治りきっていないのに、保育園へ連れてきてしまうの?
- 子どものことを考えていないのでは・・・?
ですが、必ずしもそうとは限りません。
保育士の皆さん、どうか保護者の気持ちに寄り添って考えてみて下さい。
保護者の皆さんはどなたも、子どものことを考えています。
働きに行くのだって、生活のためです。
子どものために働き、子どものために楽しい園生活を願い、子どものために懸命に日々を過ごしている、ということを知っていて下さい。
保護者への伝え方
思いに寄り添った上で、保護者にはっきりと伝えましょう。
「子どもが完全に回復してから、保育園へ登園して下さい」と・・・!
これは子どもの為にもなるし、そして仕事で忙しい保護者自身の為にもなるということを、
会話の中でさり気なく伝えるなどして、保護者への協力を仰ぎましょう。
お仕事で、なかなかお休みも取りにくいですよね・・・。
ですが、〇〇ちゃんの現在の状態を見ると、もう1日お家でゆっくり休息をとった方が、より体も楽に園生活を安心して過ごせるようになると思います。
「休みたいけど、仕事上休み辛い」という保護者の悩みに寄り添った上で、
『完全に回復するまで休んだ方が、結果的にお休みが少なく健康で過ごせる時間が増える』ということをお伝えして下さい。
この事実を、保育士だけでなく保護者の方も正しく知って頂くことで、
子どもがより早く健康になり、安心して園生活を送れるように導いていけるでしょう。
子どもを不調のまま登園させてしまったら、保護者の立場からすると子どもへの罪悪感も残りますし、なにより心配で仕方がありません・・・。
一度完全に治りきってから登園をすることによって、その不安からも解消され、
更に元気に登園出来る期間が結果的に長くなるのです。
保護者の方が、“もう登園しても大丈夫かな・・・”と、
まだ治っていないにも関わらず、子どもを登園させてしまいがちなケースの一例です。
- 常に微熱はあるものの、機嫌が良く、食欲もある
- 夜だけ熱が上がるけど朝は平熱
- 症状が治まってきて、子ども本人が「保育園に行きたい」と訴える
確かにこのようなケースでは、親御さんからしたら
保育園へ行っても楽しく過ごせるのではないか、そう思ってしまいますよね。
ですが、このような状態で保育園へ登園してしまうと、健康に1日1日を過ごすことが難しくなります。
体が不調だと、情緒も不安定になりやすく、安心して園での生活が出来なくなってしまいます・・・。
保育園に登園する子ども達は、まだ身体の発達も未熟です。
周囲の大人たちが、子どもが安心して過ごしていけるように生活の流れを導いていかなくてはなりません。
そのためには保育士と、そして保護者が、連携を取って関わっていくことが大切です。
可愛い我が子のために、どうしたら良いのか。
その判断に悩んでいる保護者の方々へ、どうかより良い選択肢をお伝えしていきましょう。
卒園まで続く保育園生活。
不調なままで過ごす時間が、より短くなるように。
そして、より多くの時間を、健康で元気に過ごせるように。
私たち保育士も、そんな風に願っているということを、是非ともお伝えしていきたいものです。
感染症の特徴と、登園目安を知っていることの重要性
感染症と、その登園目安についてまとめてみました。
登園停止期間や登園の目安は、
子どもが安心して体を休めることが出来るための、一つの指標ともいえます。
登園停止期間を正しく守っていけるように配慮していきましょう。
これはただ、感染症が広まるのを防いで園の運営を円滑にする、というだけの話ではありません。
何の為に感染症が広まるのを防ぐのか、その根本的な理由をしっかりと理解して下さい。
子どものため、それが第一です。
当然、保護者にとっては「我が子のため」という強い気持ちがあります。
一人一人の保護者が抱えている「我が子のため」、これを全員分抱えているのが私たち保育士だと思って下さい。
りこ
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