【なぜ、あなたは親を嫌いになったのか・・・?】大人がどうしても出来ない、子どもの思いを受け入れるための関わり方。



保育士という視点に立つことで「親の気持ち」も「子どもの気持ち」も見えてきた

 

 

私は保育士となったことで、

親でもなく、子どもでもない、立場に身を置くことが出来ました。

 

それは、親の視点も、子どもの視点も、どちら側も客観的に見ることが出来た、ということでもあります。

 

その両方の立場で物事を見ていく内に私は、

大人の中で、子どもの思いを受け止める関わり方を知っている人は少ない。

ということを知りました。

 

つまり、多くの親になった人たちが、子どもに対して上手に出来ていない関わりがある、ということです。

 

 

この世の中には、親と上手くいかずに今も悩みを抱える人が多くいます。

どんなに愛されていても、親のことを好きになれない・・・。

 

または、子育ての真っ只中で、日々子どもに対して穏やかな関わりが出来ず悩んでいる人もいるでしょう。

どんなに愛していても、それが上手く子どもに伝わらない・・・。

 

 

 

今回は、私の気付きが皆様の悩みに対しての一助になればと思い、この記事を書きました。

 

 

子ども時代に、どうして、親に愛されたくて悩むことがあったのか。

そして、何故いつしか親の存在を疎んだり、憎んだりしてしまったのか。

ずっと、何をして欲しかったのか、何を望んでいたのか。

 

 

かつて、大人達の言動の一つ一つに、傷を負って生きてきた皆様にどうか読んで頂きたい、

そう思って書いています。

 

そして、母、父になってから、上手くいかずに葛藤を抱いているあなた方へも贈ります。

 

 

どうか、お付き合い下さいませ。

 

 

子どもの抱く葛藤への関わり方

結論から言うと、大人が出来ない関わり方というのは、こちらの2つです。

①子どもの抱いている葛藤(思い)を尊重する

 

②行動ではなく、心の主張を読み解く

 

 

 

子どもが普段から抱いている感情の中には、様々な《葛藤》があります。

大泣きしてしまったり、叫んだり、物を投げてしまったりする時は、《葛藤》と向き合っている時だと思って下さい。

 

 

それでは、下の4つの《葛藤》を見てみて下さい。

(使いたかったから手を伸ばしただけなのに、どうして怒られるんだろう)

 

(やってみたけれど、お姉ちゃんのようには出来なかった・・・、悔しい・・・)

 

(このくらい、一人で出来るもん・・・)

 

(大好きなお母さんに、どうしても手伝って欲しい!)

どうでしょう、子ども時代にこんな思いを抱えていた覚えはありませんか?

 

 

これらの《葛藤》を尊重してもらえなかった時に、子どもは涙したり物に当たったりしてしまいます。

 

 

子どもは言葉が未熟です。

だから、行動で表現するしかないのです。

 

でも、大人はそのことを、つい忘れてしまう。

 

だから、こんな風に思ってしまうことがあるのです。

 

 

(もう・・・忙しいんだから勘弁して!!!!)と。

 

 

子どもの感情を受け入れる為の関わり方

 

では、どのような関わりをすれば、子どもの思いを受け止めることが出来るのでしょうか。

 

 

私が思うに、このような対応があると子どもは生きていきやすいです。

 

〇まずは子どもの思いを、分かりやすい言葉で代弁して下さい。

 

〇子どもに伝えたいことがある場合は、思いを尊重した後に、タイミングを見て伝えて下さい。

 

 

具体例を書きますね。

 

黄線の部分が、『子どもの思いに寄り添う言葉(思いを代弁する)』です。

緑線の部分は、伝えたいことを分かりやすくした言葉』です。

 

 

“子どもの不適切な行動”への声掛け

(使いたかったから手を伸ばしただけなのに、どうして怒られるんだろう)

 

△「何度も言っているのに、どうしてまたやるの!?」

 

〇「使ってみたかったんだよね。でもね。これはとっても大切な物だから、見るだけ、にしようね」

 

(やってみたけれど、お姉ちゃんのようには出来なかった・・・、悔しい・・・)

 

△「もう、このくらいで八つ当たりしないのっ」

 

〇「難しかったね。だけど、おもちゃを投げちゃいけないよ。(子どもが八つ当たりを終えてから)お姉ちゃんと同じことに、挑戦してみてかっこ良かったよ! 」

 

・・・といった具合です。

 

 

 

あなたの気持ち、分かったよ。

今、こう思っているんだね。

だから、こんな行動で示しているんだね・・・。

 

と、それを言葉で伝えれば良いのです。

 

 

“一人でやると手伝わせてくれない時”の声掛け

 

(このくらい、一人で出来るもん・・・)

 

△「(時間がかかるから)お母さんがやっちゃうね」

 

〇「一人で頑張ってるんだね。もし、やってみて、難しいところがあったら言ってね」

 

 

子どもは、急かされるのが苦手。

 

急がなくてはいけない理由は、大人側の問題。

子どもはそれに振り回されているだけなのですから。

 

焦っている大人の雰囲気に不安を感じることもあります。

 

 

優しく、穏やかに、丁寧に待つ。

 

見守っているよ。やってみてね。

 

 

そして数分待った後で、それでもどうしても出来なかったら

子ども達は、自分から言ってくるのです。

 

「お母さん、手伝って?」と。

 

それは、じっくり挑戦する時間を与えてもらったから。

 

一人でやってみたい、という意欲が存分に満たされた後は、子どもは自然に大人に手伝わせてくれるようになるのです。

 

 

“出来るのに自分でやらない時”の声掛け

 

では、最後の一つです。

(大好きなお母さんに、どうしても手伝って欲しい!)

 

△「自分で出来る癖に、甘えてばっかりでもう・・・」

 

〇「大好きな〇〇ちゃんの為に、少しだけ手伝っちゃおうかな!」

 

先ほどとは反対のケースです。出来るのに、自分でやらない。

もう、一体なんなの!? 忙しいのに・・・。

 

これはこれで大変ですよね。

 

では、子どもがどういった思いに基づいて、このような行動を取っているのかを考えてみましょう。

 

その時の子どもの気持ちは、恐らくこんな感じ。

 

甘えたい。お母さんの愛情を独り占めしたい。

 

もし私がワガママを言っても、それでも無条件に愛していてくれるだろうか。

 

実は、これって、子どもも大人も同じことなのです。

 

ちょっと疲れていたり、情緒が不安定な時だったりすると、特別誰かに甘えたくなったりしますよね。

もしくは、身近な大切な人を困らせてみたくなったりもします・・・。

 

根底にある理由は、『大好きだから!』

 

困らせても、嫌わないでいてくれると知って、安心したいから。

 

だから、子どもも、大好きなお母さんに同じことをします。

甘えたり、困らせてみたりします。大好きだから。

 

お母さんが疲れ切っていたりすると、自分に向けられる笑顔が少なくなったような気がして、

愛情を確かめようとすることがあります。

 

だから、忙しくて一杯一杯の時にこそ、子どもは自分でやらずに、

あなたに手伝ってもらおうとするのかもしれません。

 

 

子どもがあなたを信頼して、ワガママや甘えを見せてくれている、とても大切な時間。

 

 

《面倒くさくてやらない》ないのでは無く、《心の器を満たす》ための可愛い可愛いワガママです。

優しく受け止め、穏やかに包み込んであげましょう。

 

ぎゅっと、愛して、抱きしめて・・・!

思いが満たされれば、子どもは自分のことをしっかりと自分でやります。

 

 

どんな時でも共通する大切なことは、愛情表現。

子どもは、愛情を確認したいだけ。

だとしたらあなたは、子どもに愛情を伝えることをしたら良いのです。

 

やるべきことは、“手伝う”という“行為だけ”をするのではなく、

“手伝う”という行為を通じて、“愛情表現をする”ことなのです。

 

 

あくまでも行動は、おまけ。

メインは感情を受け止め、感情を伝えること。心のやり取りをするイメージが良いと思います。

 

 

だから、子どもの言いなりになるだけではいけません。

「やって」⇒「いいよ」と言って全てをやってしまうのでは、違うのです。

 

 

ポイントは、一部手伝った後で少しずつ、自分で出来るように導いていく、ということ。

思いが満たされると、子どもは自然と自分で動けるようになります。

 

思いを満たすために、やったり、やらなかったり、するのですから。

 

自分で取り組みたい、と訴える時でも

どうしても自分ではやりたくない、と訴える時でも、根本は同じだと思います。

 

 

一見遠回りのようでも、

子どもが思うように行動出来るようにすること(=子どもの思いを満たすように関わること)が、とっても大切なことです。

 

そうすることで、子どもは『自分は認められている・・・!』と感じることが出来るから。

 

ポイント

 

1.子どもの思いを汲み取る

2.思いを存分に満たすこと!

 

 

どの子どもも、きっとみんな思っています。

「私のことを見て!」=「私の“感情”を知って!」と・・・。

 

そんな温かい思いで満ちているに違いありません。

その思いを優しく受け止めてくれる、穏やかな心を持った大人が必要です。

 

個人的に思うこと

ここからは私の話です。

 

周囲の大人達の発する、悪意のない、無邪気な、痛い痛い、言葉たちがありました。

親から言われると特に、私の心には痛く辛く響きました。

 

「なんで出来ないの?」

「もっと頑張れ」

「大丈夫だよ」

「凄いね」

「信じているよ」

 

悪意は一切ない、ということは昔から知っていました。

でもどの言葉を聞いても、私は悲しくなる一方だったのです・・・。

 

今思えばその理由は、

一見優しく聞こえる言葉も含めて、それらは全て大切なものが欠けていたからです。

 

それは、“思いに寄り添う言葉”です。

 

“思いに寄り添う言葉”がないだけで、

言葉は全てが空虚なものとなり、どんなに優しい言葉でも、時には相手に暴力と等しいほどの痛みを与えます。

 

受け入れられてない、蔑ろ(ないがしろ)にされている、と感じてしまう。

自分には価値がないな、と思ってしまう。

 

 

私は特別、傷つきやすい人間だったのだと思います。

私にはどうしても、自分の“思いに寄り添う言葉”が必要だった。欲しかった。

 

大好きな両親の口から、私はそれを聞きたかった・・・!

 

繊細で傷つきやすい、そんな私自身に原因があるのかもしれない。

かつての私は、周囲の顔色を伺いすぎる、何事にも敏感な人間だったから・・・。

 

 

親には親の事情がある・・・?

 

両親それぞれの個人的な問題として、私への態度が素っ気なくなったり、熱が込もり過ぎてしまうことがあったのだろう、ということ・・・。

今、分かる。

 

決して私がダメだから、という理由からではない。

 

なのに、私は、長いこと長いこと

勘違いをして生きてきました。それはとてもとても辛い日々でした。

 

(私のように、勘違いを続けて生きてきた人も、かなり多いのではないでしょうか)

 

 

こんなに頑張ったのに、「もっと頑張れ」って・・・?

どうしてそんなに気軽に「凄いね」と言えるの?

 

妹とは違って愛想がないからだろうか。

 

反抗的な態度を取ってしまうからだろうか。

 

隣りのあの子よりも、ピアノが上手に弾けなかったからかもしれない・・・。

 

 

 

そして行き着いた当時の私の結論。

 

あの人達は、

 

私を見ているけれど

でも、私の心には、一切の興味がない・・・と。

 

幼い心には、そう映ってしまったのです。

親の思いを、そう受け取ってしまっていました。

 

恐ろしいことに、子どもは、親の愛情に気がつかず踏みにじる。

 

でも、違うんだ。愛されていないから、そんな態度を取っていたのではない。

 

 

ただ、思いに寄り添う言葉を伝えることが下手な人達を、親に持っただけ。

そして、親個人的な感情での言動に振り回されることがあっただけ。

 

 

大人達の多くは、子どもに寄り添う適切な声掛けなんて、知らない生き物なんだから。

 

 

かつて、そう言われたかった言葉や、

こんな関わりをして欲しかった、という思いを持って堪えてきた人だって、

大人になったからといって、出来る訳ではない。

 

むしろ、こうして欲しかったけれど、こうしてもらえなかった。

そんな葛藤を抱えて育った人こそ、自分の子どもに、同じことをしてしまうのかもしれません。

 

 

自分がかつて親に受けた、その関わり方しか、知らないから。

理想はあっても、その通りの関わり方をするのは、難しい。

無意識に、親にされたように子どもにしてしまう。

 

 

だから、きっと、私の両親も、そのように育てられたのかもしれない。

 

思うようにいかないと、手が出てしまったり、怒鳴ってしまったり、

時に神経質なまでに叱ったり、過剰なほどに比較してしまったりする、

そんな親の元で育ったのかもしれない。とそう思うのです。

 

 

愛し、愛される為に必要な心構え

 

私も含めて、大人は本当に不器用だし、無知だ。

他にどう言ったら良いのかを、本当に全く知らない。

 

子どもの思いや、考えを、真に理解するためには、子ども時代に戻るしかないのかもしれませんね。

 

自分だって通った道なのに、忘れてしまうようです。

 

私も、親になったら、自分がされて嫌だったことをことを、

いつしか子どもにしてしまうのかもしれません。

 

子どもも大人も、お互いに相手の言動から感情を判断してしまいます。

本当は大切に思う気持ちで溢れているのに、《言動》から勝手に、相手の思いを決めつけてしまう。

 

子どもには大人の思いが分からない。

大人は大人で、子どもの思いに寄り添うことを忘れてしまいやすい。

 

だからこそ、思いに寄り添う言葉を掛けられるようになって欲しいと思います。

 

 

 

親子とは言え、別の人間ですから、どんなに頑張っても相容れない部分はあるでしょう。

 

でも、それでも、努力をしたいです。

 

子どもの気持ちに寄り添える行動が取れる大人でありたい。

 

そして、それが独りよがりなんかじゃなくて、実際に子どもにも伝わると良いな、と願うばかりです。

 

 

私は保育士になってから、かつて側にいてくれた身近な大人達の言動を許せるようになってきました。

 

いや、そもそも、

“許す”という程の大袈裟なことはされていなかったのだと、と分かるようになってきました。

 

 

大人はただ、悪意無く、無邪気に、子どもの思いを踏みにじってしまうことがある。

ただ、それだけなのですね。

 

そしてそれは、私も今まさに、子ども達にしてしまっている可能性があることです。

 

穏やかに前を向いていく為にも、この気付きを、これからもずっと覚えておきたいと思っています。

 

 

かつて苦しんでいた子どもの頃の私にも、

今まさに親に愛されたくて悩んでいる子どもにも、

どうか、「大丈夫だよ」と伝えてあげたい。

 

そして、子どもに寄り添う言葉を掛けられる大人が、少しでも増えていきますように・・・!

 

 

 

 

 

 

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